ジョブサポートだより
1 授業のようす ❗
「社会生活」の時間では、言葉遣いを含めたコミュニケーションの取り方や職業人としてのマナーなど、自立した社会生活を送るために必要な事項について学習しました。
現場実習の感想を発表
校内・校外実習を通して、改めて体力面での向上や自分の意思を伝える力、基礎学力が必要なことがわかりました。
2 あれこれ記者ノート ❗
(1)おぼえておきたい俳句100 (「小林清之介編・著」より)
こがらしや 海に夕日を 吹き落とす 夏目漱石
海に近い宿に来ている。風の強い日だなあ。一日中、ひゅうひゅうと、吹きまくっている。窓から見ると、海の上は波が高くて、今、その上空に、赤い大きな夕日がかかっている。夕日は海に向かって、ぐんぐん降りていく。波とスレスレになった。波の間に沈み始めた。沈む、沈む。とうとう海の中に、姿を消してしまった。強い風に吹き落とされたかのように。
戸に犬の 寝がえる音や 冬ごもり 与謝蕪村
寒い、寒い。この頃は、じきに風邪をひくので、ずっと家の中に、引きこもりがちだ。夜がふけると、ますます冷え込んでくる。こんな時は、早く布団に入って寝るとしよう。おや、今、ゴトンと土間の方で、音がした。何か、柔らかいものが、戸に当たったようだ。わかった。うちの犬だ。寝返りを打ったひょうしに、雨戸に当たったんだな。寒い小さな音だ。
(2)俳句の教科書 (「冬の俳句」より)
いくたびも 雪の深さを たずねけり 正岡子規
かぜを引いて布団で寝ている時に、どのくらいの雪が積もっているか何度も聞いてしまった。
うまそうな 雪がふうわり ふわりかな 小林一茶
白くふわふわで美味しそうな雪が、ふうわりふわりと降っている。
流れ行く 大根の葉の 早さかな 高浜虚子
誰かが大根を洗ったのでしょうか。川面を見おろすと、上流から大根の葉が流れてきて、あっという間に目の前を通り過ぎていきました。
(3)狂歌 (おまけ 1)
初春は 他人の来るこそ うれしけれ とは言うものの お前ではなし
大田南畝(おおた なんぽ)
とれば又 とるほど損の 行く年を くるるくるると 思うおろかさ
唐衣橘洲(からころも きっしゅう)
歳を取ればとるほど損なのに、年の暮れや明けを祝っても仕方のないことよ。
(4)「USJをV字回復させた」男の『洞察力』と『アドレナリン』
「『ザ・リーダー』たちの泣き笑い」より
USJ(ユニバーサル・スタジオジャパン)のV字回復(復活劇)など、数々の企業(西武園ゆうえんち、ネスタリゾート神戸など)の再建を手掛けてきたマーケター、森岡毅さんは、「成果や結果はその人の強みからしか出てこない」と断言し、自分の“強み”の見つけ方を提案している。「私、何も得意なことがないんです」と言う人がいる。それは、「得意なことがないんじゃなくて、得意なことが分かってない人なんだと思うんです。その理由は、人と比べるから」と指摘。自分の好きなことを名詞(ジャンル)ではなく、動詞(行動)に注目して探してみると、「その中に自分の何らかの属性的な“強み”が入っている」と言います。
例えば、「野球(サッカー)が好き」のこの「野球(サッカー)」は「名詞」のため、言葉に実際の行動は伴っていないので、「強み」としてはまだ不鮮明。これで強みを活かし、「野球(サッカー)分野のことをやっていこう」という考えは危ない。これを「強み」の発見につなげるには、「野球(サッカー)を見て、分析、解説することが好き」とか、「野球(サッカー)で試合展開に合わせ的確な指示を出すことが好き」など、「動詞」にまで落とし込めると、自分の「強み」のタネが見えて来る。分析と解説が好きなら、その見たものを分析する力と、それを解説してヒトに伝える力は、ビジネスのプレゼンやマーケティングで大きな力となる。
社会人とは、「『自分の強み』と『会社の中での価値』『市場の価値』の重なりを探す旅だと思う」とも述べている。それは、名詞ではなく、動詞の中にある。好きなことを名詞じゃなく、動詞で考えると、得意なことが見つかるかもしれない。「○○することが好き」という動詞で考えてみると、自分の強みがわかる(カバンが好き→カバンをデザインするのが好き)。「強みを生かそう」、「弱みからは価値を生み出すことはない」、これにいつ気づくかで仕事の楽しさは変わる・・・とも。
さらに森岡さんは、「リーダーとは、人を本気にさせる力に優れた人のことだと思います。それは、皆をワクワクさせる物語を考える力と、その物語の中で、その人ならではの役割が演じられるということを信じさせる力。それを持っている人が、リーダーと呼ぶに相応しいと考えています。」と述べています。
(5)「後工程はお客様」の発想
後工程とは、自分の後ろに控えている次の工程の仕事のことです。世界でもトップクラスの自動車メーカーであるトヨタ自動車では、“トヨタ式”と呼ばれる「後工程はお客様」という概念を大切にし続けています。これは後工程に控える人たちをお客様のように丁寧に真摯に対応することで、全体業務が円滑に進み、生産性が上がることを狙いとしています。例えば、品質管理においても全体を把握して、自分の仕事の後ろには他人の工程があることを意識することが大切です。後工程の人が気持ちよく仕事をこなせるように、仕事をやり易くできるように自分の作業や要点を箇条書きにしてまとめたり、依頼内容を口頭説明以外にメモを残したりするだけでも効果があります。こうした気遣いを積み重ねることが信頼を育み、生産性の向上につながります。そうしないと、業務効率を下げるだけでなく、品質低下を招く可能性すらあり、個人のミスでは済まされず会社全体の損失に至ることになるかもしれません。具体的には、後工程の方が作業しやすいように、部品の留め方を工夫するなどのちょっとした心配りをしましょうというものです。
「後工程はお客様」とは、『後工程に喜んでもらえるモノやサービスを提供すること』(ここでいう“後工程”とは、自分の仕事の結果が影響する工程のこと)です。つまり、自分より後の人に喜んで受け取ってもらえるように仕事を進めることです。例えば、私たちが作業実習で日々取り組んでいる‘枕カバーのシワをつけないようにしっかり伸ばこと’も、使う人、ホテルの人、配送の人のことを考えると、「後工程はお客様」という考えをしっかり持つことの大切さがわかります。
「『後工程』を考えて仕事をしろ!」とは、要するに「自分の手掛けた業務や行動、意見がどうすれば同じ仕事に携わる関係者によく理解され、円滑な業務遂行につながるかまで考えて仕事をせよ」と言うことなのです。
(6)様々な「会いたくて」 (おまけ 2:「面白い話」)
① 会いたくて会いたくて、言葉にできないのが、小田和正
② 会いたくて会いたくて、眠れぬ夜にあなたのぬくもりを思い出すのが、松田聖子
③ 会いたいと思うことが何よりも大切なのが、米米CLUB
④ 会いたくて会いたくて、君への想い涙そうそうなのが、BEGIN
⑤ ただ会いたくてもう切なくて恋しくて涙なのが、桑田佳祐